「今日もサービス残業か…カルテ記録が終わらないと帰れないしな…」 「有給休暇を取りたいけど、周りの目が気になって言い出せない…」 「うちの職場、休憩時間もまともに取れないのが当たり前なんだよな…」
理学療法士として、日々多くの患者さんのために尽力しているあなた。 その仕事への情熱や責任感は、本当に素晴らしいものです。
しかし、その一方で、**「これは本当に当たり前のことなのだろうか?」**と、ご自身の労働条件や職場環境に対して、疑問や不満を感じたことはありませんか?
「医療・福祉の現場は忙しいから、残業や休日出勤は仕方ない」 「人手不足だから、有給休暇なんて取れるわけがない」 「専門職なんだから、時間外の勉強会も業務の一環だ」
そんな風に、**「業界の常識」や「暗黙のルール」**として、疑問を感じながらも受け入れてしまっていることはないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください! 私たち理学療法士も、**労働基準法という法律で守られた「労働者」**です。 そして、その法律には、働く時間、休憩、休日、有給休暇、残業代などに関する、明確なルールが定められています。
「法律なんて難しくて、よく分からない…」 「声を上げても、どうせ変わらないだろう…」
そう思ってしまう気持ちも分かります。 しかし、労働基準法に関する正しい知識を身につけることは、あなた自身を守り、不当な働き方から抜け出し、より良い労働環境を手に入れるための、最強の武器となるのです。
この記事では、「知らないと損する!」理学療法士が最低限知っておくべき労働基準法の基本的な知識と、職場でよくある疑問やトラブルへの対処法、そして困った時の相談先について、分かりやすく解説していきます。
「仕方ない」と諦める前に、まずは正しい知識を身につけ、自分の権利を主張できるようになりましょう!
「サービス残業」「有給取れない…」理学療法士の”当たり前”は本当に当たり前?
「今日も定時で帰れなかった…」「有給、全然使えてないな…」そんな日常が、いつの間にか「当たり前」になっていませんか? でも、その「当たり前」、もしかしたら法律的に問題があるのかもしれません。まずは、なぜ理学療法士の職場でこうした問題が起こりやすいのか、その背景と、労働基準法の重要性について考えてみましょう。
労働基準法って何?働く人を守るための基本的なルール
労働基準法とは、労働者の労働条件(労働時間、休日、賃金など)に関する最低限の基準を定めた法律です。 この法律は、働く人々が人間らしい生活を送れるように、そして不当な働かせ方をされないように保護することを目的としています。
正社員、契約社員、パート、アルバイトといった雇用形態に関わらず、会社(病院や施設なども含む)に雇われて働く人は、原則としてこの労働基準法の適用を受けます。 つまり、私たち理学療法士も、この法律によって守られるべき存在なのです。
PTも労働者!知っておくべき権利と、職場の義務
労働基準法は、私たち労働者に様々な**「権利」を与えています。 同時に、使用者(病院や施設の経営者)には、それらの権利を保障するための「義務」**を課しています。
例えば、
- 法定労働時間を超えて働いた場合には、割増賃金(残業代)を受け取る権利
- 一定期間働けば、年次有給休暇を取得する権利
- 業務の途中で、法律で定められた休憩時間を与えられる権利
- 少なくとも週に1日の休日を与えられる権利 などがあります。
これらの権利は、法律で保障された、私たち労働者の正当なものです。 「忙しいから」「人手が足りないから」といった理由で、一方的に侵害されるべきものではありません。
なぜPTの職場で問題が起きやすい?業界特有の課題と誤解
では、なぜ理学療法士の職場で、労働基準法に関わる問題が起こりやすいのでしょうか? そこには、いくつかの業界特有の課題や、誤解があると考えられます。
- 「奉仕の精神」の誤用: 医療・福祉の仕事は、「患者さんのために」という奉仕の精神が重視されがちです。それは素晴らしいことですが、それが行き過ぎて、「自分の権利を主張するのは良くない」「自己犠牲は当たり前」といった誤った認識に繋がっている場合があります。
- 慢性的な人手不足: 多くの職場で人手が足りず、一人当たりの業務負担が大きくなりがちです。その結果、残業や休日出勤が常態化しやすくなります。
- 専門職としての意識: 「専門職だから、時間外の自己研鑽も仕事のうち」といった意識から、自主的な勉強会や研修が、事実上の時間外労働となっているケースも。
- 労働基準法への知識不足: 経営者側も、労働者側も、労働基準法に関する正しい知識が不足しており、知らないうちに違法な状態がまかり通ってしまっている。
- 「なあなあ」の職場風土: 「昔からこうだから」「みんなやっているから」といった、なあなあの雰囲気の中で、問題が放置されやすい。
これらの要因が絡み合い、サービス残業や有給休暇の未取得といった問題が、PTの職場で起こりやすくなっているのです。

「仕方ない」と諦める前に!知識は自分を守る最大の武器
「どうせ言っても変わらないし…」 「周りに迷惑をかけたくないから、我慢するしかない…」 そんな風に、諦めてしまっていませんか?
しかし、労働基準法は、あなたの味方です。 正しい知識を身につけ、自分の権利を理解することは、
- 不当な働かせ方から、自分自身を守る
- 職場環境の改善を求める際の、正当な根拠となる
- より良い労働条件の職場を選ぶための、判断基準となる といった、大きな力になります。
「無知は罪」という言葉もありますが、少なくとも「無知は損」です。 まずは、労働基準法の基本的なルールを知ることから始めましょう。 知識は、あなた自身を守るための、そしてより良い働き方を手に入れるための、最強の武器となるのです。
これだけは押さえたい!理学療法士のための労働基準法【基本のキ】
「法律なんて難しそう…」と感じるかもしれませんが、大丈夫です! ここでは、私たち理学療法士が働く上で、特に重要となる労働基準法の基本的なルールを、分かりやすく解説します。「これだけは知っておきたい!」というポイントに絞ったので、ぜひ覚えてくださいね。
①【労働時間】法定労働時間は1日8時間・週40時間!36協定とは?
- 法定労働時間: 労働基準法では、原則として、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内と定められています。これを超える労働は、原則として認められません。
- 変形労働時間制: ただし、特定の条件下(1ヶ月単位、1年単位など)で、週平均40時間を超えない範囲で、特定の日に8時間、特定の週に40時間を超えて働かせることが認められる制度もあります。(就業規則などで定められている必要があります)
- 36(サブロク)協定: 法定労働時間を超えて時間外労働(残業)や休日労働をさせる場合には、会社と労働者の代表(労働組合など)との間で「36協定」という書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。この協定がないのに残業させるのは違法です。
- 36協定を結んでも、残業時間には上限(原則月45時間・年360時間など)が定められています。
「うちの職場、毎日当たり前のように9時間労働だけど、36協定ってあるのかな?」 そんな疑問を持ったら、まずは就業規則や、職場に掲示されている(はずの)36協定の内容を確認してみましょう。
②【残業代(割増賃金)】サービス残業は違法!正しい計算方法と請求権
法定労働時間を超えて働いた場合(残業した場合)や、法定休日に働いた場合、深夜(午後10時~午前5時)に働いた場合には、**通常の賃金に加えて「割増賃金(いわゆる残業代、休日手当、深夜手当)」**を支払わなければならないと定められています。
- 割増率:
- 時間外労働(法定労働時間超):25%以上
- 休日労働(法定休日):35%以上
- 深夜労働(午後10時~午前5時):25%以上
- 時間外労働が月60時間を超えた場合:50%以上(中小企業は猶予期間ありましたが、2023年4月より適用)
- サービス残業は違法!: 「残業代は出ないのが当たり前」「カルテ記録は残業ではない」といった扱いは、労働基準法違反です。労働時間としてカウントされるべき業務であれば、残業代は支払われなければなりません。
- 請求権: 未払いの残業代は、原則として過去3年間(当面の間)遡って請求する権利があります。(時効に注意)
「自分は、ちゃんと残業代をもらっているだろうか?」 給与明細をよく確認し、もし疑問があれば、会社に説明を求めましょう。
③【休憩時間】法律で定められた休憩のルールを知っていますか?
労働時間が一定時間を超える場合には、途中で休憩時間を与えなければならないと定められています。
- 労働時間が6時間を超える場合:少なくとも45分
- 労働時間が8時間を超える場合:少なくとも1時間
この休憩時間は、労働時間の途中に与えられなければならず、労働者が自由に利用できる時間でなければなりません。 「お昼ご飯を食べながらカルテ記録」といった状態は、厳密には休憩時間とは言えません。 また、休憩時間をバラバラに分割して与えることも、原則として認められていません。
「うちの職場、忙しくて休憩時間がほとんど取れないんだけど…」 それは、法律違反の可能性があります。
④【休日】週に1日または4週4日以上!法定休日と所定休日の違い
労働基準法では、少なくとも週に1日の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと定められています。これを**「法定休日」**と言います。
これとは別に、会社が就業規則などで定めている休日(例:土日休み、祝日休みなど)を**「所定休日(法定外休日)」**と言います。 法定休日に労働させた場合は、35%以上の割増賃金が必要になりますが、所定休日の労働は、法定労働時間を超えなければ通常の賃金、超えれば25%以上の割増賃金となります(36協定の締結は必要)。
「うちの職場、休日出勤が多いけど、ちゃんと手当は出てるのかな?」 「法定休日って、いつなんだろう?」 就業規則で、どの曜日が法定休日として定められているか確認してみましょう。
⑤【有給休暇(年次有給休暇)】取得は労働者の権利!日数と取得義務化
年次有給休暇(有給)は、労働者の心身のリフレッシュを目的とした、賃金が支払われる休暇であり、取得することは労働者の権利です。
- 付与日数: 雇入れの日から6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、最低10日の有給休暇が付与されます。その後、勤続年数に応じて付与日数は増えていき、最大で20日付与されます。(パートタイム労働者なども、所定労働日数に応じて比例付与されます)
- 取得時季指定権: 原則として、労働者は自分の好きな時に有給休暇を取得できます。(ただし、会社には「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、時季変更権が認められています)
- 取得義務化: 2019年の法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対しては、そのうち年5日については、会社が時季を指定して取得させなければならないと義務付けられました。
「有給を取りたいけど、言い出しにくい…」「忙しくて休めるわけない…」 そんな状況は、本来あってはならないのです。有給休暇は、あなたの正当な権利です。

PTの職場でよくある「労働基準法違反?」グレーゾーンと対処法
労働基準法の基本は分かったけれど、「うちの職場のこのケースって、どうなんだろう?」と、判断に迷うグレーゾーンな状況も多いですよね。ここでは、理学療法士の職場でよく聞かれる「これって大丈夫?」という疑問と、その考え方、対処法について解説します。
ケース①:「自主的な勉強会」という名の時間外労働、これって残業?
- 状況: 勤務時間外や休日に開催される勉強会や研修会への参加が、半ば強制的な雰囲気だったり、参加しないと評価に影響したりする。参加しても手当は出ない。
- 考え方:
- 会社(上司)からの指示・命令によって参加が義務付けられている場合や、参加しないことで不利益(評価ダウンなど)が生じる場合は、たとえ「自主的」という名目であっても、労働時間とみなされ、残業代支払いの対象となる可能性が高いです。
- 純粋に任意参加で、参加しなくても何ら不利益がなく、業務との直接的な関連性も薄い場合は、労働時間とはみなされにくいでしょう。
- 対処法:
- まずは、その勉強会・研修会の目的、参加の強制力、業務との関連性などを、上司や主催者に確認しましょう。
- もし、事実上の強制参加であり、業務上必要不可欠な内容であるにも関わらず、労働時間として扱われていない場合は、労働時間としての認定と、残業代の支払いを求めることを検討できます。
ケース②:「カルテ記録は業務時間外に」これって許される?
- 状況: 「リハビリ業務が終わってから、サービス残業でカルテ記録をするのが当たり前」という風潮がある。記録時間を勤務時間として申請しにくい雰囲気。
- 考え方:
- カルテ記録は、理学療法士の業務に不可欠なものであり、明確に労働時間に含まれます。
- たとえ、上司から「記録は時間外に」という明確な指示がなくても、時間内に終わらない量の業務を課し、結果的に時間外に記録せざるを得ない状況であれば、それは黙示の残業命令とみなされる可能性があります。
- 対処法:
- まずは、記録にかかる時間を正確に把握し、時間内に終わらせるための工夫(効率化、業務分担の見直しなど)をチームで検討しましょう。
- それでも時間内に終わらない場合は、「記録も業務時間である」という認識を上司や職場全体で共有し、記録時間を確保するための業務改善や、残業代の適正な支払いを求めることが重要です。
ケース③:「人手が足りないから有給は無理」これって違法?
- 状況: 有給休暇を申請しても、「忙しいから」「人手が足りないから」といった理由で、上司に難色を示されたり、取得を認められなかったりする。
- 考え方:
- 有給休暇の取得は、労働者の権利であり、原則として、会社は労働者が希望する時季に有給休暇を与えなければなりません。
- 会社が有給休暇の取得時季を変更できるのは、**「事業の正常な運営を妨げる場合」**に限られます。単に「忙しいから」「人手が足りないから」という理由だけでは、この「事業の正常な運営を妨げる場合」には該当しないとされるケースが多いです。
- 代替要員の確保など、有給休暇を取得しやすい体制を整えるのは、会社の責任です。
- 対処法:
- まずは、早めに、計画的に有給休暇の申請を行いましょう。
- もし取得を拒否された場合は、その理由を具体的に確認し、法律上の権利であることを丁寧に説明し、再度の検討を促しましょう。
- どうしても認められない場合は、労働基準監督署などに相談することも考えられます。
ケース④:「みなし残業代」に残業代は全て含まれる?注意点とは
- 状況: 給与の中に「固定残業代」「みなし残業代」といった名目で、一定時間分の残業代が最初から含まれている。しかし、実際の残業時間がその時間を超えても、追加の残業代が支払われない。
- 考え方:
- **固定残業代制度(みなし残業代制度)**自体は、適切に運用されていれば違法ではありません。
- しかし、重要なのは、固定残業代として定められた時間を超えて残業した場合には、その超過分の残業代は別途支払われなければならないということです。
- また、固定残業代制度を導入するためには、「通常の労働時間の賃金にあたる部分」と「固定残業代にあたる部分」が明確に区別され、固定残業代が何時間分の残業に相当するのかが、雇用契約書や給与明細などで明示されている必要があります。
- 対処法:
- まずは、雇用契約書や給与明細で、固定残業代の金額と、それが何時間分の残業に相当するのかを確認しましょう。
- 日々の労働時間を正確に記録し、実際の残業時間が、固定残業時間を超えていないかを確認します。
- もし超過しているにも関わらず、追加の残業代が支払われていない場合は、会社に説明と支払いを求めましょう。
泣き寝入りしない!疑問を感じたら、まずは記録と相談
これらのケース以外にも、「これって、もしかして労働基準法違反なのかな?」と感じる場面があるかもしれません。 そんな時は、決して一人で抱え込み、泣き寝入りしないでください。
まずは、
- 具体的な状況(いつ、どこで、誰が、何をしたか、など)を、できるだけ詳細に記録する。(メモ、日記、メールなど)
- 信頼できる同僚や先輩、あるいは職場の相談窓口に相談してみる。
- それでも解決しない、あるいは相談しにくい場合は、外部の専門機関(労働基準監督署など)に相談する。
あなたの小さな疑問や勇気ある行動が、あなた自身だけでなく、職場全体の労働環境を改善するきっかけになるかもしれません。
もしトラブルになったら…理学療法士が頼れる相談窓口と解決への道筋
「職場に相談しても、何も変わらない…」「むしろ、不利益な扱いを受けそうで怖い…」そんな風に、職場内での解決が難しいと感じる場合や、すでに労働トラブルが発生してしまっている場合には、外部の専門機関に助けを求めることが重要です。ここでは、理学療法士が頼れる相談窓口と、問題解決への一般的な道筋についてご紹介します。
相談先①:職場の労働組合(あれば)
あなたの職場に労働組合がある場合は、まずそこに相談するのが第一選択肢となることが多いです。 労働組合は、従業員の労働条件の維持・改善を目的として活動しており、会社側と団体交渉を行う権利を持っています。 ハラスメント問題や、不当な労働条件(サービス残業、有給未取得など)について、組合として会社に改善を申し入れたり、解決に向けたサポートをしてくれたりします。
相談先②:労働基準監督署(申告・相談)
**労働基準監督署(労基署)**は、企業が労働基準法などの労働関係法令を遵守しているかを監督する行政機関です。
- 相談: 労働基準法違反の疑いがある場合、匿名でも相談することができます。法令に関する説明や、解決に向けたアドバイスを受けることができます。
- 申告(情報提供): 会社が法律違反を犯しているという具体的な情報(証拠があるとより良い)を提供すると、労基署が調査に入り、必要であれば会社に対して是正勧告や指導を行ってくれる場合があります。
ただし、労基署は個別の労働紛争(例:未払い残業代の請求など)を直接解決してくれるわけではありません。あくまで、法律違反の是正を促す役割が中心です。

相談先③:弁護士(法的アドバイス、代理交渉、訴訟など)
未払い残業代の請求や、ハラスメントによる損害賠償請求など、法的な解決を目指す場合には、弁護士に相談するのが最も専門的で効果的な方法です。
- 法的アドバイス: あなたの状況を法的な観点から分析し、取り得る手段や、勝訴の見込みなどをアドバイスしてくれます。
- 代理交渉: あなたに代わって、会社側と交渉を行ってくれます。
- 労働審判・訴訟: 交渉で解決しない場合、労働審判や訴訟といった法的手続きの代理人となってくれます。
弁護士への相談は費用がかかりますが、法テラスの無料法律相談を利用したり、初回相談無料の弁護士を探したりすることも可能です。 労働問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。
相談先④:労働問題に詳しいNPO法人など
労働者の権利擁護や、ハラスメント被害者の支援などを行っているNPO法人や民間団体も存在します。 これらの団体では、専門の相談員が話を聞いてくれたり、解決に向けた情報提供やサポートを行ってくれたりする場合があります。 インターネットなどで、あなたの地域の支援団体を探してみましょう。
証拠の重要性!日々の記録(勤務時間、業務内容など)が力になる
どの相談窓口を利用するにしても、あるいは会社と直接交渉するにしても、**あなたの主張を裏付ける「客観的な証拠」**は、非常に重要な力となります。
- 勤務時間の記録: タイムカードのコピー、業務日報、PCのログイン・ログアウト記録、メールの送受信履歴など、実際の労働時間を証明できるもの。
- 業務内容の記録: 具体的にどんな業務を、いつ、どのくらいの時間行っていたかの記録。
- 残業命令の記録: 上司からの残業指示が分かるメールやメモなど。
- ハラスメントの記録: 日時、場所、加害者、具体的な言動、目撃者、あなたの感じたことなどを詳細に記録したメモや日記、録音データ、メールなど。
- 給与明細・就業規則・雇用契約書: 労働条件や、残業代の計算根拠などを確認できるもの。
日頃から、これらの記録を意識的に残しておくことが、いざという時にあなたを助けることに繋がります。 面倒に感じるかもしれませんが、自分を守るための大切な作業です。
正しい知識で、働きやすい環境を!理学療法士も自分の権利を守り、主張しよう
理学療法士という仕事は、大きなやりがいと誇りを持てる、素晴らしい専門職です。 しかし、その専門性や奉仕の精神が、時として不当な労働条件や、権利の侵害に繋がってしまっている現実も、残念ながら存在します。
「仕方ない」「これが当たり前」と諦めてしまう前に、まずは労働基準法という、私たち労働者を守るための基本的なルールを知ってください。 そして、もしあなたの職場で、法律に反するような状況や、疑問を感じる点があれば、勇気を持って声を上げ、改善を求めていきましょう。
この記事でご紹介した、
- 労働基準法の基本的な知識(労働時間、残業代、休憩、休日、有給休暇)
- 職場でよくあるグレーゾーンなケースと対処法
- 困った時の相談窓口 が、あなたの力となることを願っています。

正しい知識を身につけ、自分の権利を主張することは、決してわがままなことではありません。 それは、あなた自身が健康で、安全に、そしてやりがいを持って働き続けるために、不可欠なことなのです。 そして、あなたが声を上げることで、職場全体の労働環境が改善され、後に続く理学療法士たちにとっても、より働きやすい未来が築かれるかもしれません。
もし、**「今の職場では、どうしても労働条件が改善されない…」「もっと法律を遵守し、従業員を大切にしてくれる環境で働きたい」**と感じるなら、転職エージェントに相談し、コンプライアンス意識の高い、働きやすい職場を探すことも、あなた自身を守るための賢明な選択です。
理学療法士も、一人の労働者として、正当な権利を主張し、守られるべき存在です。 自信を持って、より良い働き方を手に入れてください!