「あー、もうこんな時間!今日もカルテが終わらない…」 「リハビリの時間はあっという間に過ぎるのに、雑務に追われてばかり…」 「もっと患者さんとじっくり向き合いたいのに、時間に余裕がない!」
理学療法士として、情熱を持って仕事に取り組んでいるあなた。 でも、毎日**「時間に追われている」**と感じ、焦りやストレスを抱えていませんか?
患者さんのリハビリテーションはもちろん、記録業務、カンファレンスの準備、多職種との連携、後輩指導、勉強会への参加…。 私たちの仕事は、本当に多岐にわたり、限られた時間の中で多くのタスクをこなさなければなりません。 気づけば残業が当たり前になり、プライベートの時間が削られ、心身ともに疲弊してしまう…なんてことも。
「もっと効率よく仕事ができれば…」 「時間に追われずに、心にゆとりを持って働きたい…」
その願い、決して不可能ではありません。 必要なのは、**「タイムマネジメント(時間管理術)」**という強力な武器を身につけることです。
この記事では、忙しい理学療法士のあなたが、**「もう時間に追われない!」**ための、具体的なタイムマネジメントの実践術を、基本原則から業務特化型のテクニック、そしてチームで取り組む効率化のアイデアまで、徹底的に解説していきます。
時間は、誰にでも平等に与えられた貴重な資源。 それをどう使うかで、あなたの仕事の質も、そして人生の質も大きく変わってきます。 最強の時間術をマスターし、仕事も人生も、もっと豊かにしていきましょう!
「今日も時間が足りない…」理学療法士が時間に追われる根本原因とは?
「どうして、いつもこんなに時間がないんだろう…」 毎日、時間に追われるように働いていると、そう感じてしまいますよね。でも、ただ「忙しいから」と片付けてしまう前に、なぜ私たち理学療法士が時間に追われやすいのか、その根本的な原因を探ってみることが大切です。原因が分かれば、対策も見えてくるはずです。
原因①:多岐にわたる業務内容(臨床、記録、会議、その他…)
理学療法士の仕事は、患者さんへの直接的なリハビリテーション(臨床業務)だけではありません。
- 記録業務: カルテ記録、リハビリテーション実施計画書の作成・更新、各種報告書、サマリー作成など。
- 会議・カンファレンス: 多職種カンファレンス、チームミーティング、症例検討会など。
- 連携業務: 医師や看護師、OT、ST、ケアマネなど、他職種との情報交換や連絡調整。
- 教育・指導: 後輩指導、臨床実習生の指導。
- 自己研鑽: 勉強会への参加、文献購読、学会準備など。
- その他: 物品管理、環境整備、委員会活動など。
このように、非常に多岐にわたる業務を、限られた時間の中でこなさなければなりません。 それぞれの業務に責任を持って取り組もうとすればするほど、時間がいくらあっても足りない、と感じてしまうのは当然かもしれません。
原因②:突発的な業務・患者対応によるスケジュールの乱れ
医療現場では、予測不能な出来事が日常茶飯事です。
- 担当患者さんの容態が急変し、緊急対応が必要になる。
- 急な入院や、予定外の患者さんのリハビリ依頼が入る。
- 他のスタッフが急に休み、その業務をカバーしなければならなくなる。
- 医療機器の故障や、システムの不具合が発生する。
どんなに緻密なスケジュールを立てていても、こうした突発的な業務や、イレギュラーな患者対応が発生すると、あっという間に計画は狂ってしまいます。 柔軟な対応力が求められる一方で、これが時間管理を難しくする大きな要因の一つとなっています。
原因③:完璧主義?効率よりも丁寧さを優先しすぎる傾向
理学療法士は、患者さんの健康や安全に直結する仕事をしているため、真面目で、責任感が強く、丁寧な仕事を心がける方が多い傾向にあります。 それは素晴らしいことですが、時として、その**「完璧主義」や「丁寧さへのこだわり」**が、業務効率を低下させてしまうことも…。
- 記録を隅々まで完璧に書こうとして、時間がかかりすぎる。
- 患者さんへの説明を、時間をかけて丁寧にしすぎる。
- 資料作成で、フォントやレイアウトにこだわりすぎる。
もちろん、質の高い仕事は重要ですが、全ての業務に100%の完璧さを求めていては、時間がいくらあっても足りません。 「丁寧さ」と「効率性」のバランスをどう取るかが、課題となります。
原因④:情報過多・コミュニケーションコストの増大
現代は、情報が溢れている時代です。 新しい治療法、エビデンス、制度変更など、常にアンテナを張って情報を収集し、アップデートしていく必要があります。 また、チーム医療の重要性が高まる中で、他職種とのコミュニケーションや情報共有に費やす時間(コミュニケーションコスト)も増大しています。
- 膨大な量の医学論文や専門書を読みこなす時間。
- 多くの会議やミーティングへの参加。
- メールやチャットなど、デジタルツールでのやり取りの増加。
これらの情報処理やコミュニケーションに要する時間も、知らず知らずのうちに、私たちの業務時間を圧迫しているのです。
「忙しい」を言い訳にしない!時間は「作る」もの
「理学療法士の仕事は、構造的に忙しいから仕方ない…」 そう諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。
確かに、私たちの仕事は多忙です。 しかし、**「時間がない」のではなく、「時間を作り出せていない」**だけなのかもしれません。 タイムマネジメントとは、単にスケジュールを管理するだけでなく、**無駄な時間を見つけ出し、それを有効な時間に変えていく「創造的な活動」**でもあるのです。
「忙しい」を言い訳にせず、主体的に時間をコントロールする意識を持つこと。 それが、時間に追われる日々から抜け出すための、最初の、そして最も重要な一歩です。
仕事がサクサク進む!理学療法士のためのタイムマネジメント基本5原則
「時間管理って、具体的に何をすればいいの?」 その疑問にお答えします。難しく考える必要はありません。まずは、日々の仕事の中で意識したい、タイムマネジメントの基本的な5つの原則を押さえましょう。これを実践するだけで、あなたの仕事の進め方はきっと変わるはずです。
原則①:【計画は必須】1日の始まりに「ToDoリスト」と「優先順位」を決める
行き当たりばったりで仕事を進めていては、効率が上がるはずがありません。 1日の始まり(あるいは前日の終わり)に、その日やるべきこと(ToDo)をリストアップし、それぞれに優先順位をつける習慣をつけましょう。
- ToDoリストの作成: 思いつくままに、今日やるべきタスクを全て書き出す。(紙のノートでも、スマホアプリでもOK)
- 優先順位付け: 書き出したタスクを、**「重要度」と「緊急度」**のマトリクス(第16回記事参照)などを使って分類し、取り組む順番を決める。
- ①重要かつ緊急な仕事
- ②重要だが緊急でない仕事
- ③重要でないが緊急な仕事
- ④重要でも緊急でもない仕事
- 時間配分の目安も設定: 各タスクに、おおよその所要時間を見積もっておくと、より現実的な計画になります。
**「今日、何を、どの順番で、どのくらいの時間をかけてやるか」**を明確にすることで、迷うことなく、スムーズに仕事に取りかかることができます。
原則②:【集中力UP】「ポモドーロテクニック」で作業効率を最大化
人間の集中力は、残念ながら長時間持続しません。 ダラダラと長時間作業するよりも、短い集中と短い休憩を繰り返す方が、結果的に生産性が高まることが知られています。
そこでおすすめなのが、**「ポモドーロ・テクニック」**です。
- 25分間、一つのタスクに集中して取り組む。(タイマーをセットする)
- 25分経ったら、5分間の短い休憩を取る。(完全に仕事から離れる)
- これを1セット(ポモドーロ)とし、4ポモドーロ(約2時間)ごとに、15分~30分程度の長めの休憩を取る。
このテクニックを使うことで、
- 集中力が持続しやすくなる。
- 作業の区切りがつき、達成感を得やすい。
- 適度な休憩により、疲労が蓄積しにくい。 といったメリットがあります。特に、記録業務や資料作成など、集中力が必要なデスクワークに効果的です。
原則③:【スキマ時間活用】記録・メールチェックは細切れ時間で処理
1日の中には、意外と多くの**「スキマ時間」が存在します。 患者さんとのリハビリの合間、会議が始まるまでの数分間、移動時間など…。 この細切れの時間を有効活用する**ことが、時間管理の鍵となります。
- 記録業務: リハビリ終了後、すぐにポイントだけでも記録する。(「記録は鮮度が命!」)
- メール・連絡事項のチェック: 短時間で処理できるものは、スキマ時間に済ませてしまう。
- 情報収集: 短い記事や、ブックマークしておいた文献の抄録を読む。
- ToDoリストの確認・修正: 次に取り組むべきタスクを確認する。
これらの**「5分でできること」「10分でできること」**を、あらかじめリストアップしておき、スキマ時間が発生したら、すぐに取りかかれるように準備しておくと良いでしょう。 塵も積もれば山となる。細切れ時間の活用が、大きな時間の節約に繋がります。
原則④:【断る勇気】無理な依頼や不要な業務は上手に断る
「頼まれたら断れない…」「自分がやらなきゃ…」 責任感が強く、優しいあなただからこそ、つい多くの仕事を引き受けてしまいがちではありませんか? しかし、あなたの時間とエネルギーは有限です。
全ての依頼に応えようとして、自分のキャパシティを超えてしまっては、仕事の質が低下したり、心身の健康を損ねたりする可能性があります。 時には、**勇気を持って「断る」**ことも、タイムマネジメントにおいては非常に重要です。
- 自分の優先順位と照らし合わせる: その依頼は、本当に自分がやるべきことか?緊急度・重要度は高いか?
- 代替案を提示する: 「今は手一杯なので、〇〇までならできますが、いかがでしょうか?」「私よりも、〇〇さんの方が適任かもしれません」など、相手への配慮も忘れずに。
- 理由を添えて、丁寧に断る: 「申し訳ありませんが、現在〇〇の業務に集中しており、お引き受けするのが難しい状況です」など。
上手に断るスキルも、自分を守り、本当に重要な仕事に集中するための大切な技術です。
原則⑤:【振り返りが重要】1日の終わりに業務内容と時間配分を検証する
タイムマネジメントは、「計画して実行したら終わり」ではありません。 1日の終わりに、その日の業務内容と時間配分を振り返り、検証することが、さらなる改善に繋がります。
- ToDoリストは達成できたか?
- 計画通りに時間は使えたか? もしズレがあったなら、その原因は何か?
- もっと効率化できた部分はなかったか?
- 無駄な時間は発生しなかったか?
- 明日の計画に活かせることは何か?
この**「振り返り(PDCAサイクルのCheckとAction)」**を習慣化することで、あなたの時間管理スキルは確実に向上していきます。 日記をつけるような感覚で、数分でも良いので、毎日振り返る時間を取りましょう。

PT業務特化型!明日から使える具体的な時間管理テクニック7選
タイムマネジメントの基本原則を押さえたら、次は理学療法士の日常業務に特化した、より具体的な時間管理テクニックを見ていきましょう。これらを実践することで、日々の業務がさらにスムーズに進み、時間にゆとりが生まれるはずです。
テク①:【記録の効率化】テンプレート活用、音声入力、略語統一で時短!
理学療法士の業務時間を圧迫する大きな要因の一つが、記録業務です。 ここを効率化できれば、大きな時間的余裕が生まれます。
- テンプレートの徹底活用:
- SOAP形式のカルテ記録、リハビリテーション実施計画書、カンファレンス用報告書など、**よく使う書類の雛形(テンプレート)**を作成し、共通部分はあらかじめ入力しておく。
- 疾患別、あるいは評価項目別の**定型文(フレーズ)**を単語登録やスニペットツールに登録し、数文字入力するだけで呼び出せるようにする。(例:「ROM著変なし」「歩行時安定性向上」など)
- 音声入力の活用: スマートフォンやPCの音声入力機能を使って、記録内容を口述入力する。タイピングが苦手な方や、手が離せない時に有効。慣れれば非常に高速に入力できます。
- 院内(チーム内)での略語統一: よく使う専門用語や評価項目などについて、共通の略語ルールをチーム内で作成・共有する。記録時間の短縮と、情報共有の円滑化に繋がります。(例:自動運動=AROM、関節可動域=ROMなど)
- 記録は溜めずに即時入力: 原則③でも触れましたが、リハビリ終了後など、記憶が新しいうちに、ポイントだけでも入力する習慣を徹底する。
これらの工夫を組み合わせることで、記録業務にかかる時間を大幅に削減できる可能性があります。
テク②:【カンファレンス準備】事前資料の読み込みと発言内容の整理
多職種カンファレンスやチームミーティングは、情報共有や意思決定のための重要な場ですが、準備不足で臨むと、時間がかかったり、的外れな発言をしてしまったりする可能性があります。
- 事前資料の徹底的な読み込み: アジェンダや配布資料には、必ず事前に目を通し、会議の目的や論点を把握しておく。
- 自分の発言内容の事前準備:
- 自分が報告すべき内容(患者さんの状態、リハビリの進捗、今後の課題など)を、SBARなどを活用して簡潔にまとめておく。
- 議論に参加する上で、自分の意見や提案があれば、事前に整理しておく。
- 質問したいことがあれば、リストアップしておく。
- 時間配分の意識: 自分が発言する時間や、他の人の発言時間を考慮し、要点を絞って話せるように準備する。
**「準備万端」**で臨むことで、会議の時間を有効に活用でき、建設的な議論に貢献できます。
テク③:【情報収集の効率化】RSSリーダーや専門サイトの巡回ルートを決める
最新の知識や情報を得るための自己研鑽は重要ですが、情報過多の現代において、効率的に情報収集するスキルも求められます。
- 情報源の絞り込み: 自分が本当に必要とする情報源(学会誌、専門書、信頼できるウェブサイト、メーリングリストなど)を、ある程度絞り込む。
- RSSリーダーの活用: 複数のブログやニュースサイトの更新情報を、一括でチェックできるRSSリーダー(例:Feedlyなど)を活用する。
- 専門サイトの巡回ルート設定: 定期的にチェックするウェブサイトをいくつか決め、「月曜の朝はこのサイト、水曜の昼休みはこのサイト」といったように、巡回ルートとタイミングを決めておくと、ダラダラとネットサーフィンするのを防げます。
- アラート機能の活用: 特定のキーワードや論文に関する新しい情報が出たら通知してくれる、Google Scholarアラートなどの機能を活用する。
「質」の高い情報を、「効率的」に収集するための、自分なりの仕組みを作りましょう。
テク④:【患者さんとの時間】質の高いコミュニケーションで情報共有を円滑に
患者さんとのコミュニケーションは、リハビリテーションの質を左右する重要な要素ですが、これが円滑でないと、余計な時間がかかってしまうこともあります。
- 初回面談での丁寧な情報収集: 患者さんの既往歴、生活歴、ニーズ、目標などを、最初の段階で丁寧に聞き取り、記録しておくことで、その後のリハビリ計画がスムーズに進みます。
- 分かりやすい説明: 専門用語を避け、図や模型なども活用しながら、患者さんが理解できるように、リハビリの目的や内容、注意点などを説明する。誤解や質問が減り、結果的に時間短縮に繋がります。
- 傾聴の姿勢: 患者さんの話を最後までしっかりと聞き、共感的な態度で接することで、信頼関係が築かれ、本音を引き出しやすくなります。
- 目標の共有: 患者さんと一緒に、具体的で達成可能な目標を設定し、共有することで、モチベーションを高め、主体的なリハビリ参加を促します。
質の高いコミュニケーションは、患者満足度を高めるだけでなく、情報共有の効率化や、リハビリ効果の向上にも繋がり、結果として時間的な余裕を生み出します。
テク⑤:【移動時間の有効活用】訪問PT向け!音声学習やスケジュール確認
訪問リハビリテーションに従事する理学療法士にとって、移動時間は無視できない時間です。 この時間を、単なる「移動」ではなく、「有効な時間」に変える工夫をしましょう。
- 音声学習:
- 専門分野のポッドキャストや、オーディオブックを聴く。
- 録音しておいた研修会の音声を聞き直す。
- 英語学習の教材を聴く。
- スケジュール確認・段取り:
- 次の訪問先の患者さんの情報を再確認する。
- 1日の訪問ルートや、時間配分を頭の中でシミュレーションする。
- 電話連絡(安全な場所で停車して): ケアマネジャーや他の事業所への必要な連絡を済ませる。
ただし、運転中の「ながらスマホ」や、集中力を欠くような行為は絶対にNGです。安全第一を心がけましょう。 公共交通機関を利用する場合は、読書やメールチェックなども可能です。

テク⑥:【マルチタスクはNG?】シングルタスクで集中力を維持する
「あれもこれも、同時にやらなきゃ!」と、**複数の作業を並行して行う(マルチタスク)**のは、一見効率的に見えるかもしれませんが、実は脳にとっては負担が大きく、集中力を低下させ、かえって生産性を下げてしまうことが分かっています。
できる限り、**一つの作業に集中して取り組む「シングルタスク」を心がけましょう。 ポモドーロ・テクニック(原則②)などを活用し、「今は、この作業だけ!」**と決めて取り組むことで、質の高いアウトプットを、短時間で生み出すことができます。 もし、どうしても複数のことを同時に意識しなければならない場合は、それぞれのタスクに明確な区切りをつけ、一つひとつ順番に片付けていく意識が大切です。
テク⑦:【デジタルツール活用】スケジュール管理アプリ、タスク管理ツール
現代のタイムマネジメントにおいて、デジタルツールの活用は欠かせません。 あなたに合ったツールを見つけ、使いこなすことで、業務効率は格段に向上します。
- スケジュール管理アプリ: Googleカレンダー、Outlookカレンダーなど。予定の共有やリマインダー機能が便利。
- タスク管理ツール: Todoist、Trello、Asanaなど。ToDoリストの作成、進捗管理、優先順位付けなどが容易にできる。
- メモアプリ: Evernote、Google Keep、OneNoteなど。アイデアや記録を、いつでもどこでも手軽に残せる。
- クラウドストレージ: Google Drive、Dropbox、OneDriveなど。資料やデータをオンラインで保存・共有できる。
- コミュニケーションツール: Slack、Microsoft Teamsなど。チーム内での情報共有や連絡を効率化できる。(職場導入の場合)
これらのツールを、あなたの仕事のスタイルや、職場の環境に合わせて選び、積極的に活用してみましょう。 最初は使い方に慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、長期的に見れば、大きな時間的メリットをもたらしてくれるはずです。
時間管理はチーム戦!職場で実践したい効率化のアイデアと協力体制
個人のタイムマネジメント能力を高めることも重要ですが、それだけでは限界があります。本当に効率的な働き方を実現するためには、「チーム全体」として時間管理に取り組み、お互いに協力し合える体制を作ることが不可欠です。ここでは、職場で実践したい効率化のアイデアと、協力体制づくりのヒントをご紹介します。
アイデア①:業務分担の見直しと標準化(誰でもできる業務は?)
チーム内の業務分担が、本当に最適化されているか、定期的に見直してみましょう。
- 得意な人に任せる: それぞれのスタッフの得意なこと、専門性を考慮した業務分担になっているか?(例:PCが得意な人には資料作成、教育が得意な人には新人指導など)
- 特定のスタッフへの業務集中を防ぐ: 一人のスタッフに、業務が過度に集中していないか?負担を分散できないか?
- 業務の標準化・マニュアル化:
- 「この人にしかできない」という属人的な業務を減らし、誰でも一定の品質で対応できるように、業務手順を標準化・マニュアル化する。
- 特に、事務作業や簡単な準備作業など、専門知識がなくてもできる業務は、アシスタントスタッフや、手の空いているスタッフが分担できるようにする。
これにより、理学療法士が、より専門性の高い業務に集中できる時間を確保し、チーム全体の生産性を高めることができます。
アイデア②:情報共有ツールの導入・活用(申し送り、スケジュール共有など)
チーム内での情報共有がスムーズに行われれば、無駄な確認作業や、連携ミスによる手戻りを減らすことができます。
- 電子カルテ・リハビリテーション支援システムの有効活用: 申し送り機能、スケジュール共有機能、タスク管理機能などを最大限に活用する。
- チーム内コミュニケーションツールの導入(Slack、Teamsなど): チャット形式で、リアルタイムな情報交換や、資料共有が可能になる。メールよりも迅速で、記録も残る。
- クラウドストレージの活用: 研修資料やマニュアル、勉強会の議事録などを、チームメンバー全員がいつでもアクセスできるように、クラウド上で共有する。
これらのツールを効果的に活用することで、「言った、言わない」「知らなかった」といったコミュニケーションロスを防ぎ、チーム全体の業務効率を向上させることができます。
アイデア③:「会議のムダ」をなくす!目的・アジェンダ・時間厳守の徹底
多くの職場で、**「会議の時間が長すぎる」「何が決まったのか分からない」**といった悩みが聞かれます。 会議は、使い方を間違えると、貴重な時間を浪費するだけのものになってしまいます。
**「会議のムダ」**を徹底的になくすための工夫を、チーム全体で意識しましょう。
- 会議の目的・ゴールを明確にする: 何のために集まり、何が決まれば終わりなのかを、事前に全員で共有する。
- アジェンダ(議題)と時間配分を事前に示す: 話し合うべき内容と、各議題にかける時間を明確にし、参加者に準備を促す。
- 参加者を厳選する: 本当に必要なメンバーだけに参加してもらう。
- 時間厳守: 開始時間と終了時間を必ず守る。
- ファシリテーターを立てる: 議論を整理し、時間内に結論が出るように導く役割の人を置く。(第44回記事参照)
- 議事録を作成し、決定事項とToDoを共有する: 会議の成果を明確にし、次のアクションに繋げる。
**「会議は、最も効率的な意思決定と情報共有の場であるべきだ」**という意識を、チーム全体で持つことが重要です。

協力体制:お互いにサポートし合える「心理的安全性」の高い環境作り
そして、何よりも大切なのが、チームメンバーがお互いにサポートし合える「協力体制」と、それを支える「心理的安全性」の高い職場環境を作ることです。
- 「困った時は、お互い様」という意識を持つ。
- 忙しそうな同僚がいれば、積極的に声をかけ、手伝えることがないか尋ねる。
- 自分の仕事が終わったら、周りの状況を見て、手伝える業務があれば手伝う。
- ミスをしても、個人を責めるのではなく、チーム全体で原因を考え、再発防止策を講じる。
- 新しいアイデアや提案を、否定せずにまずは受け止め、建設的に議論できる雰囲気を作る。
「このチームなら、安心して発言できるし、困った時には助けてもらえる」 そう感じられる職場であれば、スタッフはストレスなく、前向きに仕事に取り組むことができ、結果としてチーム全体の生産性も向上します。 風通しの良い、「助け合い」の文化を育むことが、最強のタイムマネジメントに繋がるのです。
時間は有限、でも工夫は無限!最強の時間術で、仕事も人生も豊かにしよう
理学療法士の仕事は、確かに多忙です。 しかし、「時間がない」と嘆く前に、私たちにできることは、まだまだたくさんあります。
この記事でご紹介した、
- 時間に追われる根本原因の理解
- タイムマネジメントの基本5原則
- 理学療法士業務に特化した具体的な時間管理テクニック7選
- そして、チームで取り組む効率化のアイデア を、ぜひ今日から一つでも実践してみてください。
時間管理術を身につけることで、あなたは、
- 残業時間を減らし、プライベートな時間を確保できる
- 仕事の質と効率を高め、より多くの成果を出せる
- 心にゆとりが生まれ、ストレスなく、前向きに仕事に取り組める
- 患者さんとじっくり向き合う時間が増え、理学療法士としてのやりがいを再発見できる
- そして何よりも、仕事も人生も、もっと豊かで充実したものになる という、素晴らしい変化を実感できるはずです。
時間は、誰にとっても1日24時間と有限です。 しかし、その使い方を工夫する可能性は、無限に広がっています。
もし、あなたが**「今の職場では、どうしても時間管理がうまくいかない」「もっと効率的に働ける環境で、自分の能力を発揮したい」**と感じているなら、転職エージェントに相談し、より働きやすい、生産性の高い職場を探してみるのも、一つの賢明な選択肢です。 キャリアアドバイザーは、あなたのワークライフバランスの希望や、働き方の悩みにも耳を傾け、最適な環境探しをサポートしてくれるでしょう。
最強の時間術を味方につけて、時間に追われる日々から解放され、理学療法士として、そして一人の人間として、もっと輝く未来を手に入れてください!